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グリーンシートニュース

〜グリーンシート関連ニュースブログ〜

18 8月

IPO証券 主幹事業務に進出―新興市場向け、来年にも(日本経済新聞)

2004/08/18、日本経済新聞 8月18日 13面より要旨引用

IPO証券は、このほど公募増資を実施し、資本金が5億5,000万円になり、株主資本五億円以上という基準を満たしたため、元引受業務の認可申請の準備に入る。新たに株主になったのはTFPコンサルティンググループやエース証券(大阪市)など。調達金額は3億3,000万円強。IPO証券はベンチャー企業の発掘や経営支援、投資勧誘など、さまざまな面で各社と協力する。これにより、来年にも新興市場の主幹事業務に進出し、元引受業務の認可を得て、グリーンシートでの資金調達から新興市場への上場に至るまで、 ベンチャー企業の資金調達を一貫して支援する体制を整える。

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17 8月

IPO証券、亜細亜証券印刷主催の未上場株公開セミナーにて講演

2004/08/17、日経産業新聞(11ページ)情報プラスより 要旨 引用

亜細亜証券印刷が8月25日に株式公開を計画する企業経営者らを対象に、日本証券業協会の未上場株式公開制度「グリーンシート」に関するセミナーを開催する。ベンチャーの株式公開業務を手がけるIPO証券(東京・中央)や日本証券業協会がグリーンシートの制度概要や今後の展望などについて講演する。申し込みは亜細亜証券印刷ホームページ(http://www.aspir.co.jp/)で受け付け、定員は先着80人。

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4 7月

堅牢なサイト構築で“成長途上の上場”果たし目指すは「北のアクセンチュア」 (北海道経済産業新聞)

2004/07/04、北海道経済産業新聞より全文引用
http://dokei.net/conts.php?nid=55

Interview・田中博見氏・(株)アルファ・トレンド代表取締役社長

堅牢なサイト構築で“成長途上の上場”果たし
目指すは「北のアクセンチュア」
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 田中博見社長率いるアルファ・トレンドは2004年3月16日、札証の新興成長企業向け市場“アンビシャス”に第2号銘柄として上場した。00年にグリーンシート市場に登録して株主数や時価総額を確保、上場直前に株式を無償分割し、上場前の株式公募価格は6万5,000円である。
 通常の上場シナリオとかなり趣を異にするのは、ベンチャー企業が飾り立てて上場し、後に財務上の問題で汲々とするより、等身大の上場を果たし、成長過程を株主にも楽しんでもらうという田中社長自身のポリシーから。
 株価も公募水準を上回って推移していることから、このポリシーもある程度受け入れられたといってよいだろう。さらに大きかったのが、道内ベンチャー企業に対する“株式上場”への認知向上だ。
“メイキャップしない上場”が恐らく史上初めて実現したことで、他の道内ベンチャーも、株式公開の具体的なイメージを描き始めた。
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 ――上場の感想とアンビシャス市場の印象は。
 田中 上場に関しては、赤字では駄目、企業の時価総額が2億円以上、成長性が毎期10%以上という基準設定で、やはりハードルが高いという感想を持ちました。しかし、こういう基準だからこそ、アンビシャス市場に上場されれば注目してもらえる。実際に当社が上場してから第1号銘柄のキャリアバンクも再注目され、取引がかなり活発になったと聞いています。もう2〜3社上場してくると、かなり市場としての体裁が整うのではないでしょうか。市場自体は全国区で注目されていますから、まずは上場して良かったというのが感想です。
 ――上場準備としてグリーンシートに登録されていましたね。
 田中 02年3月に、グリーンシートへ登録したんですが、これは当社がパブリックカンパニーを目指すという意思表示でもあり、それまで漠然としていた上場という目標を、株主に対して約束する意味もありました。2〜3年で上位市場(札証アンビシャス)へ出ると宣言しました。
 最大の魅力は株主数が増えることです。株主の数は普通、簡単には増えません。縁故で少しずつ増やすしかないわけですよね、通常。また、当社はグリーンシートで9200万円調達しましたが、これも、馬鹿みたいな赤字を作らない限り会社の資産に計上されます。例えばアンビシャス上場には純資産が2億円以上必要なんですが、これを資本金1億円の会社が内部留保だけで達成しようとすると、毎年4000万円の経常利益を上げても5年はかかるわけです。IT業界ではビジネストレンドが5年も続くわけがありません。この5年という時間をグリーンシートによって短縮できたんです。
 ――なぜ札証を選んだのですか。
 田中 まず、子会社となったプライムファームは会計コンサル業で、顧客に地場企業が多いこと。次に地場にもロイズなどの優秀な企業があり、道内でまだまだ足場固めが可能という判断もありました。
 当社の場合、完成形での上場では決してなく、ステップアップの手段としての上場に過ぎません。つまり、完成した企業に投資するのではなく、投資によって成長するわけですから。それを直接調達することで補おうとしただけです。北海道にももちろんこだわりがあります。
 本州のVCの方は、「北海道の人はまず、すぐに北海道のためにと言うが、それは投資家にとって関係ない」と言います。しかし私は、地域に生きている以上、地域を考えることは決して悪くないと思っているんです。
 北海道に対するこだわりでメリットと言えば、例えば通勤環境や開発環境などがありますが、こういう部分では、もっと北海道の良さをアピールしていきたいですね。
 ――最近は財務コンサル業にも力を入れていますね。
 田中 ITは基本的に経営支援ツールなんです。当社は最近、PSP(Partnersip Strategy Provider)という概念を提唱しています。協力関係を築きながら企業戦略を売っていこうという当社の考え方です。
 ITといえば、ツールを売り歩くことが主な仕事と考えられがちですが、それでは価格競争に巻き込まれる。カンナやノコギリを「良く切れますよ」といって売って歩くのと同じです。では、そのカンナやノコギリでどんな家を建てるのかという発想がない。当社はそうではなく、企業の成長や成功そのものを売っていきたい。
 そのために必要なのは、まず戦略、次にwebも含めたマーケティング、ヒューマンリレーションマネジメント、さらにファイナンス、アカウンティング、そしてそれらを効率良く実現するITです。当社はマーケティングとITの会社、そしてパートナー企業のプライムファームはファイナンスとアカウンティングの会社ですから、リソースはほぼ揃っている。
 ――会計コンサル各社も、かなりIT化を進めています。
 田中 会計分野では、アメリカより日本の方がむしろIT化は進んでいます。さまざまな会計ソフトがパッケージ化され、あらゆる中小零細企業が導入している。ただし、それは過去会計の電子化です。この分野は他社がすでにシェアを築き上げているので、あまり興味がありません。未来をどう描かせるかが最大の課題なんです。
 各種会計ソフトは世の中にたくさんありますが、それで答えが出るのは過去の指標なんです。つまり、過去のデータをかき集め、効率良く計算するという、計算機としてのITです。こういったITのあり方はもう終わりだと思います。アカウンティングのことを社内では過去会計と呼んでいますが、BS/PLをいくら効率良く作れたとしても、未来に何も影響を与えない。つまり会社は何も変わらないんですよ。
 これを未来にもっていくためには戦略が必要になってくる。間接金融が疲弊し、直接金融の比率が高まってくると、いままでのような穴埋めの資金調達はできなくなります。お金のためのお金ではなく、何のためのお金かを明確にする必要があって、そこに未来会計、Business Process Re-engineeringの意味があると思うんです。
 例えばロイヤルカスタマーがいたとして、それが何を求めているのかを知るのにも、ただグラフを見ているという時代は終わっています。少しでも前に進む側に移るため、“PSP”を広めていこうという立場なんです。
 当社は成功を売る会社になりたい。そのためには、営業品目をどんどん上流工程にシフトさせなければならない。つまり戦略部門ということです。下流に留まり続けると、ドロ沼の価格競争に巻き込まれてしまう。これは会計事務所も同様です。自由化の波が押し寄せていて、早晩権益として残るのは税務申告のサインだけではないかと言われている。差別化を図り、付加価値の高い方へどんどんポジションを移していかないと大変なことになる。
 ITと戦略系コンサルの合体といえば、アクセンチュアですよね。当社も北海道のアクセンチュアを目指しています。そしていずれは全国レベルの企業になりたいですね。
 ――今後の主力はサイト構築と財務コンサルの二本立てということですね。
 田中  いまの当社の事業を決定づけたのは、交通新聞社(旧・弘済出版)のweb展開事業「どこなび.com」でした。Unix系での開発でしたが規模も大きく、アクセスが集中することも目に見えていた。これをやり遂げたことで、当社には堅牢なアクセス対応、24時間メンテナンス体制の構築、webマーケティングといったノウハウを得るキッカケになった。これは日経ネットナビにも表彰され、当社のフラッグシップサイトにもなっています。メガポータルなどがほとんどない当時、2ヶ月で100万pvを超えたわけですから、大きな自信と実績です。
 コンサルについては、周囲の環境に恵まれていたんです。ベンチャーに思い入れの強い公認会計士(板垣洋氏)とお会いでき、もともとコンサルテーションに来ていた方には副社長にもなって頂いてます。
 これはITも会計コンサルも同じことですが、価格競争に巻き込まれないためにアクセスに強く、実績が豊富でしっかり戦略が策定できる会社を目指しています。ITでは早くて軽い頑丈なソフトをリーズナブルなサーバーに、会計では身内で上場資料を作り上げた経験をもとに強みを発揮していきたい。コンサルで財務の根幹を見、ITで事業の根幹を見させるというスタイルですね。
 これには社会的信用が不可欠で、その意味でも認知度や社会的信用が向上した上場の意義や効果は高かった。その中で体力をつけ、パッケージやコンサルメニューの充実などにメドをつけていきたいですね。
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 技術者出身の田中社長は、“人びとの目に触れる仕事がしたい”と、サイト構築の世界に飛び込んだ。いまでも事務所隣のサーバールームに何万ものアクセスが来ていることに感じ入るという。
 また、研究室レベルだったLinuxにいち早く着目し、開発実績を積んできた“慧眼”もある。今後はその慧眼を生かし、企業戦略や財務戦略などをカバーしたITのあり方を提唱していく。その技術は、常に目の届かないところにありながら、クライアント企業の姿を目に見える形で変えていくことだろう。
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たなか ひろみ
1962年、旭川市生まれ。93年アルファークラフト(現・アルファ・トレンド)を設立、代表取締役社長に就任し、98年より本格的にWeb関連のソフトウェア開発を手がける。「どこなびドットコム」(交通新聞社)や「さっぽろ・えきバス・ナビ」などサイト構築では実績多数。2001年、道内企業初のグリーンシート登録を果たし、03年に現社名へと社名変更。04年3月、札証アンビシャス市場に上場。01年、札幌商工会議所「北の企業家表彰(起業家優秀賞)」受賞。趣味はゴルフ。
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●(株)アルファ・トレンド
 札幌市白石区本郷通13南1-13
 Tel.011-860-7380
 Fax.011-860-7378
 http://www.alphacraft.co.jp/

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30 6月

中小企業はグリーンシートを使って経営革新せよ!(戦経Interview)

戦経Interviewより引用
http://www.tkc.jp/senkei/backnumber/0406/interview.htm

グリーンシートがいま注目され始めている――。東証一部が超優良企業へのパスホートなら、グリーンシートはこれからビッグになる中小企業向けの公開市場だ。そこで、この市場の“産みの親”ともいえるディー・ブレイン証券の出縄良人社長に、TKC会計人の粟飯原一雄税理士が話を聞いた。

■企業の成長性が評価されれば年商数千万円でも「公開」できる

粟飯原: 最近「グリーンシート」という言葉をよく耳にするようになりましたが、「ジャスダック」や「東証マザーズ」などに比べると、知名度はまだまだという感じがします。そこで、まずグリーンシートとは、いったいどのような市場なのかというところからお話し願えませんか。

出縄: グリーンシートというのは、日本証券業協会が公正慣習規則第二号「店頭有価証券の売買その他の取引に関する規則」で定めている証券市場制度です。簡単にいえば、「未上場企業向けの株式公開市場」です。これまでにジャスダックなどに新規上場した企業をみると、株式時価総額の最低水準は20〜30億円です。これに対し、グリーンシートの場合はその10分の1の規模です。売上高は数千万円〜数億円の会社が多く、なかには赤字の会社もあります。つまりは、企業の成長性が評価されれば、規模は小さくても公開できるということです。

粟飯原: 現在、公開企業数はどれくらいあるのですか。

出縄: 今年3月末現在で82社です。グリーンシートは、「エマージング」(58社)、「フェニックス」(6社)、「リージョナル」(17社)、「投信・SPC」(1社)の4つに銘柄区分されています。このなかで急成長しているのが発行市場としての機能を持つエマージング区分です。ベンチャー企業や成長志向の中小企業が登録されています。他方、フェニックス区分は上場廃止になった企業がその後の換金性をはかる市場として利用されており、リージョナル区分は地方の中堅企業などが登録されています。

粟飯原: グリーンシートに登録されるにあたっては、形式審査基準と実質審査基準があるといわれていますが……。

出縄: ええ。東証やジャスダックに上場するにあたっては、利益数値や時価総額などの「数値基準」が設けられていますが、グリーンシートの場合はそうした数値基準はなく、「ディスクロージャー要件」が形式審査基準になっています。具体的には、上場企業の有価証券報告書に該当する「会社内容説明書」と「4半期報告書」の作成・開示です。会社内容説明書に添付される財務諸表には、監査法人または公認会計士の監査報告書が必要です。登録初年度は直前1期の財務諸表及び事業計画書、2年度目からは2期の財務諸表が必要です。ここで重要なのは申請時にこうしたディスクロージャーが整っているだけでなく、その後の継続開示の体制ができているかどうかです。それができていなければ証券会社として責任をもって公募増資を扱うことはできません。

粟飯原: 実質審査基準は社会性、成長性、投資リスクの3つがキーワードですね。なかでも重要なのは成長性だと思いますが、どういう点から将来性を判断しているのでしょう。

出縄: 確かに企業の成長性を見極めることは難しいですが、チェックポイントは大別して2つあります。1つは当然のことですが、持続的に成長していこうという「意欲」を持っていること。今1つはその会社がメーンとするマーケットが伸びているかどうかであり、とくにそのなかで勝てるかどうかの競争優位性を重視します。

粟飯原: つまり、その会社の強さの源泉が技術力にあるのか、取引先や販売ルートなどのネットワークにあるのかをみるわけですね。

出縄: そうです。ただし、この強さを持っているだけでは宝の持ち腐れなので、それをどう使って成長していくかという「シナリオ(事業計画書)」が大事になります。それも絵に描いた餅ではなく、「P(プラン)D(ドゥ)C(チェック)A(アクション)」という仕組みが社内に構築されているかどうかをみますね。



■予備審査から公開まで3ヵ月初期費用は約800万円


粟飯原: エマージング区分に登録されている企業の主幹事を一手にディー・ブレイン証券さんが引き受けているそうですが、株式公開までの手続きを簡単に説明していただけませんか。

出縄: そのポイントは3つあります。第1は「予備審査」です。これは過去3期分の決算書・税務申告書などをみながらグリーンシートで取り扱うことができそうかどうかを大雑把につかむことを目的にしています。いわば「適性診断」みたいなものです。2番目は「プライマリー・デューディリジェンス(PD)」です。PDは専門家による企業内容の実地調査で、その主な項目は財務内容調査、リスクファクター調査、事業の成長性・収益性調査、募集戦略です。「人間ドック」のようなものだと思ってください。3番目は先ほど触れました会社内容説明書の作成です。これがディスクロージャーのコアにあたりますが、その中身は(1)企業の概況、(2)事業の状況、(3)設備の状況、(4)経理の状況、(5)株式事務の概要、の5つからなります。

粟飯原: 中小企業では人材面・コスト面などからいって、社内でこれを毎年作成し続けることは難しいと思いますが……。

出縄: おっしゃる通りです。そこで会社内容説明書を作成するにあたっては、ディー・ブレイン証券とパートナー契約を結んでいる会計事務所にお願いすることを原則としています。その方が企業側としてコストと手間が省けるうえに、その信頼性も高まります。つまり公認会計士や税理士の先生方に、ディスクロージャーの部分をアウトソーシングするということです。先生方に責任を負っていただく代わりに、その対価としてフィーがお支払いされます。

粟飯原: 予備審査から公開までの期間とそのコストはどれくらいかかるのでしょう。

出縄: 公開までは最短で3ヵ月で、募集期間、資金調達まで入れると全部で4〜5ヵ月かかります。コストに関しては、予備審査は無料ですが、PDは約60万円、会社内容説明書の作成などディスクロージャー関連費用は約250万円、監査法人などに支払う監査報酬は約200万円、証券会社の審査料は約150万円などで、初年度にかかる総コストは約800万円。翌年以降の維持ストは500〜600万円です。中小企業にとって必ずしも負担の軽いものではありませんが、東証やジャスダックなどに上場する場合、初期費用は最低でも5000万円程度、維持コストは3000〜4000万円かかります。グリーンシートの方が断然お得だといえます。



■増資による資金調達で銀行の「企業格付け」も上がる


粟飯原: これだけのコストを支払っても登録するだけの価値があるからこそ、みなさん公開されているのでしょうが、そのメリットというのはやはり資金調達ですか。

出縄: 1つはそれですね。エマージング区分に登録された企業をみると、平均1社当たり約7000万円を公募増資で調達しています。7000万円で、維持コストが500〜600万円ということであれば金利は7〜8%になり、高いではないかという人もいるかもしれませんが、でもこの7000万円は元本を返さなくていいわけです。しかも、それによって自己資本が厚くなるため、金融機関の「企業格付け」が上がり、銀行から融資を受けやすくなります。これが第2のメリットですね。

粟飯原: 実際に銀行から見直された企業というのはあるのですか。

出縄: 「きくや」(2002年10月公開/本社・新潟市)さんが、そのいい例でしょう。同社は新潟県内をエリアに贈答用菓子、冷凍ケーキなどを製造販売し、公開前の年商は約5億円でした。最近ではホテル・レストラン向けの冷凍ケーキの評判がよく、生産設備を拡充する必要性に迫られていました。しかし直前期(2002年五月期)の業績(経常利益▲100万円、当期利益▲1400万円)が悪かったので、銀行から「これでは貸せません」といわれたのです。そこで、同社はグリーンシートに着目したわけです。公募増資で6700万円調達しました。同社の渡部茂夫社長は、新潟商工会議所の役員をやっていたこともあり、仲間の経営者(150名)が増資を引き受けてくれたのです。すると、公募増資を行った翌日、銀行の担当者がこられて「グリーンシートに公開されておめでとうございます。当行でも資金をご用意できます」といったそうです。銀行を責めるのではなく、増資によって自己資本比率を改善すれば、企業格付けが上がるわけです。設備投資の結果、冷凍ケーキの売上は翌年3倍に増え、年商も6億円を突破しています。

粟飯原: さらにディスクロージャー体制が構築されたことによって対外的な信用力が増し、従業員のモチベーションも高まるといったメリットもありますね。

出縄: ええ。オーナー経営者のなかには株式を公開すれば会社を乗っ取られるのではないかと心配する方もいるようですが、グリーンシートの場合は持株比率の低下は2〜3割程度であるのに加え、「拡大縁故増資」のため、まずそういうことは起こり得ません。拡大縁故の「拡大」とは、これまでの縁故の「ご縁」を広げていることを意味します。先ほどの「きくや」さんのケースもそうですが、西安料理専門店「刀削麺荘」を展開している大秦の場合(2001年5月に公開)、1億円の公募増資に約300名が応じてくれました。この大半は、刀削麺荘をひいきにしているお客様でした。

粟飯原: お店のファンが株主になって事業を応援すれば新年会や接待に利用し、お客様を連れてきてくれることになりますね(笑)。

出縄: そうです(笑)。ここが従来の証券市場とは最も違う点です。今までの証券市場は「流通」が中心になっていたのに対し、グリーンシートは売買も行われますが、「発行」が主体です。



■10年後には1万社がグリーンシートに名を連ねる


粟飯原: 従来は顔のみえない投資家が売買を目的にしていたのに対し、グリーンシートは「ご縁」で株主になり、事業を応援するのが目的ということですね。

出縄: これまでの証券会社の大きな収入源は流通市場における株式売買手数料です。このため、時価総額が大きければ大きいほど流通する株式は多くなり、売買も活発化することから、証券会社としてうまみがあります。その点、グリーンシートに登録する会社は先述したように2〜3億円なので、食指が動かないわけですよ。でも、本当に直接金融で資金を必要としているのはビッグカンパニーより、中小企業の方でしょう。つまり、なぜ中小企業が上場できにくいのかといえば、上場基準にあるというより、証券会社の事業構造に原因があり、“ミスマッチ”が起きているからです。

粟飯原: そのミスマッチを解決する市場がグリーンシートということなんでしょうが、今後、どれくらいの中小企業がこの市場に公開されるとみておられますか。

出縄: 日本の企業数からいって、10年後には1万社になっていてもおかしくないとみています。逆に、それくらいに広がっていなければ、日本経済は盛り上がらず、かつてのような輝きを取り戻すことは難しいのではないでしょうか。そのためには、ディー・ブレイン証券だけではおのずと限界があるので、銀行と提携することを考えています。その第1弾として、今年5月に「みなと銀行」(兵庫県神戸市)と業務提携しました。

粟飯原: 証券会社ではなく、銀行と手を組むのですか?

出縄: はい。その理由は、第1に今年12月に銀行の証券仲介業が解禁されること、第2に我々のやっている業務は証券会社より、むしろ地銀・信用金庫さんの方が近いからです。
 グリーンシートというのは、一握りのベンチャー企業のためにあるのではなく、ごく普通の中小企業が経営革新していくための“ツール”です。そういう企業は証券会社のお客様というより、銀行の融資先でしょう。今回みなと銀行さんとの提携は、同行が取引先をディー・ブレイン証券に紹介し、私どもがグリーンシートに公開するまでをお手伝いさせていただくというものです。この“輪”を地道に広げていけば、10年後に1万社では少ないかもしれません。

粟飯原: その際、税理士が果たす役割をどのように考えておられますか。

出縄: 実は、私の父も税理士でして(笑)、幼少の頃から会計事務所の傍らで育ちましたから、その“内実”はよく知っています。ときには夫婦喧嘩の仲裁まで税理士はやっており、それくらい中小企業の経営者に頼りにされている存在です。
 これまでクライアントが証券取引所に上場すると、税理士から巣立ってしまうわけですが、グリーンシートの場合、“絆”はむしろ強まります。先ほどもいいましたように、先生方が会社内容説明書の作成など、ディスクロージャーに関する専門的な知識を身につければ、クライアントの経営革新、成長を後押しすることができるわけです。これくらい先生方にとってやりがいのあることはなく、それがひいては日本経済の発展につながります。応援していただけると心強いです。

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26 4月

VBの直接金融インフラ確立目指す――ディー・ブレイン証券(NIKKEI NET)

2004/04/26 NIKKEI NETより引用
http://www.nikkei.co.jp/tento/vc/20040726e3k2301z26.html

 ディー・ブレイン証券(東京・中央)は子会社のディー・ブレインキャピタル(DBC、東京・中央)を通じて、ベンチャー企業に投資している。日本証券業協会の未上場企業株式の取引市場「グリーンシート」にベンチャー企業を送り込むディー・ブレイン証券が自らベンチャー・キャピタル業務を手がけるのは、同市場に投資家を呼び込み、ベンチャー企業の直接金融インフラを確立するのが狙いだ。
 「DBCのファンドを参考に、多くの投資家、ベンチャー・キャピタルに参加してもらいたい」。DVCとディー・ブレイン証券の社長、出縄良人氏はグリーンシートの活性化に力を注ぐ。ディー・ブレインは公認会計士を中心としたネットワークを武器に、グリーンシートのエマージング区分に属する銘柄の主幹事業務を一手に引き受ける株式公開専門の証券会社だ。松井証券と提携するなど、グリーンシートの流動性向上に取り組んでいる。

 取り組みの一つが「ベンチャー投資のモデルになりたい」(出縄社長)とするDBCだ。97年の設立で、99年までに2本のファンドを立ち上げ、約11億円を運用する。第1号はグリーンシート銘柄専門ファンドで、年間の投資収益率は2割に達する。第2号はインターネット関連のベンチャー企業を投資対象としたファンドで、IT(情報技術)企業家が投資先の選定や投資先企業の助言・志向に加わったのが特徴だ。

 現在、運用に力を入れるのは、2003年2月に募集したファンド・オブ・ファンズだ。公認会計士などが運営するグリーンシートを投資対象としたファンドに投資するファンドで、企業成長による時価総額拡大を目指す。

 出縄社長は「従来型のベンチャー投資では上場しないと投資回収できないが、日々取引のあるグリーンシート銘柄は成長による付加価値の向上や株価上昇が期待できる」とグリーンシート銘柄に投資する利点を話す。すでに市場で取引されているだけに、発掘に手間がかからず、コスト面でもメリットがあるという。

 企業情報も取得しやすい。もともとベンチャー企業の情報は不足がちで、役員派遣やモニタリングなど経営に積極的に関与しなければ実態がわからないケースも少なくない。その点、グリーンシート銘柄は監査法人などの監査が義務づけられ、四半期報告書の開示など透明性が比較的高い。

 ディー・ブレイングループは教育研修事業にも力を入れる。目的は専門人材の育成で、ベンチャーキャピタリスト養成コースでは約600人の卒業生を輩出した。「投機的な短期売買ではなく、価値を生み出す事業に資金を供給してもらいたい」(出縄社長)。こうした人材がベンチャー企業の直接金融の担い手となれば、日本経済の成長にもつながるだろう。

(NQN・露口一郎)
中山圭太郎








運用:中山圭太郎



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